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デセプション テクノロジーによるAIを悪用したサイバー攻撃の阻止

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JULIA BENSON
June 16, 2026 - 7 分で読了

デセプション テクノロジーとは、偽のファイル、AIエージェント、LLM API、ネットワーク セグメントなどのデコイを組織環境に組み込むセキュリティ手法です。これらのデコイは、AIを悪用したサイバー攻撃でネットワークに侵入しようとする攻撃者を罠にかけることができます。

正規ユーザーがデコイに関与することはないため、デコイへの何らかの働きかけが発生した時点で、それは侵害が発生したことを示す即時かつ高精度のシグナルとなります。デセプション テクノロジーは組織のシステムを攻撃者に対する罠へと変えるのです。

Cloud Security Alliance (CSA)新たなAIセキュリティ リスクの出現を受け、すべての組織が直ちにデセプション機能を導入することを推奨しています。AIを悪用する攻撃者はキル チェーン全体を数分で実行できますが、EDR、SIEM、XDRのような従来のツールでは、これらの攻撃を十分な速さで検出できません。

デセプション テクノロジーは、AIで高度化したサイバー攻撃など、巧妙な脅威を瞬時に高精度で警告するアラートを生成することでこの問題を解決します。

この記事では、デセプション テクノロジーの仕組み、従来のツールとの違い、そしてサイバー攻撃を防ぐ方法について解説します。

デセプション テクノロジーの仕組み

デセプション テクノロジーは、以下の手順でサイバー攻撃を防ぎます。

  1. セキュリティ部門が偽の資産を展開する。これにはデコイ サーバー、AIチャットボット、AI学習データ、エンドポイントなどが含まれます。攻撃者から見ると、これらのデコイは正規のリソースと見分けがつきません。
  2. 攻撃者が初期アクセスの権限を獲得する。その後、攻撃者はネットワーク内で価値のある標的を探します。
  3. 攻撃者がデコイ資産を見つけて操作する。たとえば、ルアーのドキュメントをクリックしたり、ハニー トークンを使ったり、偽の認証情報でログインしたりします。
  4. デセプション ソリューションが確定的で高精度のアラートを生成する。
  5. セキュリティ部門が攻撃者の行動を監視する。デセプション ソリューションは、攻撃者のTTP、標的となるデータやシステムの種類、攻撃者が単独の脅威か大規模なキャンペーンの一部かといった脅威インテリジェンスを収集します。
  6. 攻撃者は足止めされ、別の方向へと誘導される。攻撃者はデセプション ソリューションを通じて誤った情報を探索します。この情報には偽の認証情報、架空のネットワーク マップ、行き止まりのファイル パスが含まれます。
  7. セキュリティ部門が引き続き脅威インテリジェンスを収集する。攻撃者の行動は記録および分析され、将来的に組織の防御の強化に使われます。
  8. SIEM、SOAR、エンドポイント セキュリティ ツールとの統合によって自動応答が発動する。たとえば、攻撃者のデバイスの隔離、アクセス トークンの失効、疑わしいIPのブロックにより、実際の資産にアクセスされる前に対応します。
  9. インシデント後に分析する。この分析では、攻撃者の行動から得た情報を、脆弱性の修正、脅威モデルの更新、デセプション レイヤーのさらなる改善に活用します。

デセプションは能動的防御の手法により、ネットワーク内で攻撃者と関与し、あざむき、操作します。能動的防御は、サイバー攻撃における力関係を逆転させます。

防御の姿勢から攻撃的な姿勢へと移行することで、組織は脅威に対してより迅速かつ断固とした対応を取れるようになります。攻撃者の手法をリアルタイムで監視し、貴重な脅威インテリジェンスを収集できます。一方で、正規のリソースは危険にさらされる心配は一切ないという、確かな安心感を持つことができます

従来の防御ではAIを悪用した攻撃から保護できない理由

シグネチャーベースや行動ベースのツール(EDR、SIEM、XDRなど)のような従来の防御は、イベントを関連付け、確率的なアラートを生成します。こうした関連付けの結果が得られるまでには数時間から数日かかる場合がありますが、最新のAIを悪用した攻撃は数分以内にキル チェーン全体を進行します。

AIが指揮する攻撃は、環境の大規模な探索も行います。たとえば、ThreatLabzの最近の調査では、わずか6か月で8,990万件の外部デコイとのやり取りが記録されています。

従来の環境では、これらの探索の速度と量の両方に追いつくことができません。ESGによると、WebアプリケーションやAPIセキュリティ ソリューションのようなツールは誤検知率が45%に達しており、これらのツールはアイデンティティー攻撃の91%でアラートを生成しません。

従来の防御とは異なり、デセプション テクノロジーは即時かつ確定的なアラートを生成します。シグネチャーや行動の基準に依存しておらず、手動でのトリアージを必要とするようなノイズの多いアラートも生成しません。そのため、デセプションはAIを悪用したサイバー攻撃のような重大かつ急速に進展する状況において、迅速かつ確実に対応できます。

デセプションで最新のAIによる脅威から保護する仕組み

デセプションは、攻撃者が境界を探索した瞬間から、ネットワークを水平移動してエンドポイントやActive Directory、クラウド環境とやり取りする段階に至るまで、キル チェーンの各ステージで悪意のある活動を可視化します。

デセプションはこれらのレイヤーにデコイ、ルアー、ブレッドクラムを仕掛け、APT、ランサムウェア、内部脅威、ファイルレス攻撃、サプライ チェーン攻撃などのAIを悪用した攻撃から保護します。

デセプションがどのように攻撃を阻止するのか、例をいくつか見ていきましょう。

AIが指揮する攻撃への対抗

AIエージェントは、人間よりもはるかに速いスピードで、ネットワークの列挙を実行し、認証情報を収集し、環境内で水平移動することが可能です。EDR、SIEM、その他の従来のツールでは、イベントをリアルタイムで特定するほど速く関連付けができません。

攻撃者は自身のAIエージェントにすべてのリソースを徹底的にレビューするようプログラムしています。そのため、こうしたエージェントは必然的にデコイを探索します。エージェント型攻撃向けデセプションを備えたデセプション テクノロジーは、そうした探索にアラートを発し、そのAIエージェントをリアルタイムで妨害します。

ランサムウェア実行前のラテラル ムーブメントの検知

攻撃者がネットワークを侵害すると、権限昇格を行い、ファイル サーバー、バックアップ システム、ドメイン コントローラーなどの価値の高い標的を特定しながら、水平移動します。その後、ランサムウェアを展開します。

デセプションは、偽のActive Directoryオブジェクトやデコイのファイル共有、ルアーの認証情報などのリソースを戦略的に配置し、攻撃者が水平移動する際にそれらのデコイに遭遇させる仕組みです。これらのデコイとのやり取りは瞬時にアラートを生成し、ランサムウェアが実行される前に自動の封じ込め手順を発動させます。

生成AIインフラの保護

組織がLLM、RAGパイプライン、AI APIなどの生成AIインフラを展開すると、攻撃者はこのインフラの脆弱性を探ります。AIインフラを標的とした攻撃には、プロンプト インジェクションからモデル スクレイピング、学習データの汚染、ベクトル データベースからの機密情報の窃取まで多岐にわたります。

生成AIインフラ向けのデセプションは、デコイのLLMチャットボット、偽のAI API、ハニー トークンなどのリソースをRAGパイプラインやベクトル ストア内に展開します。生成AIシステムからデータを操作したり、そこからデータを抜き取ろうとする攻撃者はこれらの罠に誘導され、デセプション ソリューションがアラートを生成します。

デセプションでゼロトラストに対応する仕組み

AIを悪用した攻撃が高速化するなか、デセプションはあらゆる組織のセキュリティ戦略において不可欠な要素となっています。たとえば、AIはフィッシング攻撃を劇的に加速させており、ThreatLabzは最近、3万7,000件以上のAI生成サイト インスタンスを悪意のあるものとして特定しました。AIを悪用すれば、高精度な偽サイトや偽アプリ、その他の誘導用インフラを素早く作成し、フィッシング攻撃に用いることができます。

組織はこれらの脅威に対抗するために、デセプション テクノロジーとゼロトラストを組み合わせる必要があります。ゼロトラストは、アイデンティティー検証、最小特権アクセス、継続的な検証を通じて攻撃対象領域を最小化します。しかし、ゼロトラストでは、認証情報を侵害した攻撃者が環境に侵入しないという保証はできません。そこでデセプションが必要となります。

デセプションは、隙間をすり抜けた攻撃者を特定した後に、攻撃者を操作して脅威インテリジェンスを収集します。セキュリティ部門は収集した情報を使って防御を強化できます。

両者を組み合わせることで、ゼロトラストとデセプションは多層防御を形成します。すべての入口でアクセスが厳格に制御され、環境に侵入した攻撃者は罠にかかる構造になります。

 

デセプションの詳細

Zscaler Deceptionが実際のサイバー攻撃を10回防いだ方法をご確認ください。

FAQs

デセプション テクノロジーとは、デコイ サーバー、偽のAIチャットボット、偽のファイル、ハニー トークンなどの偽資産を展開し、組織のネットワーク内で攻撃者を罠にかけるセキュリティ手法です。正規ユーザーはこれらのデコイとやり取りしないため、いかなる関与によっても即時かつ高精度なアラートが作動し、従来の方法よりも速く侵害を検出できます。

デセプション テクノロジーは、組織環境にデコイを展開することで機能します。攻撃者がデコイ資産に接触すると、システムは確定的なアラートを生成し、偽情報により攻撃者を別方向へ誘導し、TTPを記録します。これにより、セキュリティ部門は侵害を特定し、インテリジェンスを収集しながら、実際の資産が侵害される前に自動の封じ込めプロセスを開始できます。

EDR、SIEM、XDRといった従来のツールは、脅威を特定するためにシグネチャーと行動ベースの基準に依存しています。これらのツールは確率的なアラートを生成するため、手動によるトリアージが必要となり、対応時間が長くなります。これに対し、デセプション テクノロジーは攻撃者がデコイと接触した際に即時かつ確定的なアラートを提供します。デセプションは高速でAIが指揮する攻撃を阻止する際により効果的です。

デセプション テクノロジーは、偽のAI API、ハニー トークン、デコイのLLMチャットボットをRAGパイプラインやベクトル ストア内に展開し、生成AIインフラを保護します。攻撃者がこれらの生成AIシステムからデータを探索、汚染、スクレイピングしようとすると、デセプション テクノロジーはアラートを生成します。

ゼロトラストは攻撃対象領域を最小限に抑えるために厳格なアイデンティティー検証と最小特権アクセスを施行しますが、侵害された認証情報を持つ攻撃者がネットワークにアクセスしないと保証することはできません。そこでデセプションが必要になります。デセプションは境界を突破した攻撃者を特定し、別ルートに誘導するとともに、セキュリティ部門が将来的に防御を強化するための脅威インテリジェンスを収集します。

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