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SEOポイズニングとは

検索エンジン最適化(SEO)ポイズニング(別名:スパムデクシング)は、攻撃者が検索エンジンと不用心なユーザーを欺き、侵害されたページを訪問させるためのオンライン上の手口です。検索結果を操作することで、マルウェアの拡散や認証情報の収集に利用するなど、本物のWebサイトにアクセスしていると思い込んでいる訪問者を攻撃します。

SEOとは

SEO (検索エンジン最適化)とは、検索エンジン結果ページ(SERP)でより上位に表示されるようにWebコンテンツをカスタマイズする手法を指します。正当なSEO戦略において中心的な取り組みとなるのは、関連性と信頼性の高い情報を提供し、ユーザーが信頼できるソースを見つけやすくすることです。たとえば、キーワードの最適化、リンク構築、Webサイトの技術インフラの健全性確保などが含まれます。倫理的に行われる場合、SEOは現代のデジタル検索の基盤として機能します。

SEOポイズニングの仕組み

正しいSEOはユーザーにとってインターネットをより効果的に利用する助けとなる一方、SEOポイズニングは同じ手法を悪意のある目的で用います。サイバー犯罪者は、偽のキーワードやコンテンツを巧妙に組み込んで、有害なページを検索結果の上位に表示させます。疑いを持たないユーザーは、こうした上位のページへのリンクが正当なものと思い込んでクリックしてしまいます。侵害されたサイトにアクセスすると、マルウェアのダウンロードやフィッシング フォームがトリガーされる可能性があります。この種の操作を通じ、脅威アクターは嘘の口実でユーザーのデバイスや個人データにアクセスできるようになります。これは、大きく開けた窓からたくさんの「ハエ」が部屋に侵入するようなもので、ユーザーは後になって「いったいなぜ?」と困惑することになります。

注目すべきSEOポイズニング キャンペーンの事例

世界規模では、さまざまなキャンペーンによってSEOポイズニングの危険性が浮き彫りになっています。これまでに発見されたインシデントの概要を以下に紹介します。攻撃者は、人気の検索語句を悪用して、ページの露出度を操作し、マルウェアやフィッシングの罠が仕掛けられたサイトにアクセスするようユーザーを誘導していました。

Ivanti VPNクライアントの偽のサイト

攻撃者によって、公式のIvanti Pulse Secure VPNクライアントを模した偽のダウンロード ページが作成されました。主要な検索エンジンに対するユーザーの信頼を悪用することで、脅威アクターはリモート接続やネットワーク セキュリティにIvantiを利用している組織から資格情報を盗むことに成功しました。

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中国語圏のユーザーを狙った攻撃

この事例では、偽のサイトが検索結果の上位に押し上げられ、本物のソフトウェア プロバイダーのものであるかのように見せかけられました。信頼できるサイトであると思い込みファイルをダウンロードした不用心なユーザーは、マルウェアが組み込まれた実行ファイルを通じて、知らず知らずのうちにシステムを侵害されていました。

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従業員の振込先口座情報の操作

この事例では、攻撃者が従業員ポータルや福利厚生ポータルを装った悪意のあるサイトを使用し、給与管理に関する認証情報を不正に入手しました。盗んだ認証情報を悪用することで、振込先の口座情報が攻撃者の管理する口座に書き換えられ、従業員と人事部門の両方に大きな混乱が生じました。

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IT管理者を狙ったマルウェア攻撃

この攻撃の主な標的となったのは、多忙な業務をこなすIT管理者でした。ハッカーは偽装した「ITツール」を検索結果の上位に忍び込ませることで、組織のネットワークにとって重要なマシンにバックドアを仕掛けました。これにより、不正アクセスによるラテラル ムーブメントやデータの窃取が可能になり得る状況が生み出されました。

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SEOポイズニングの影響

SEOポイズニング攻撃はサービス拒否(DoS)攻撃と同等に悪影響を及ぼす可能性がありますが、より密かに標的を絞った手口です。個人情報の窃取、アカウントの侵害、システムのダウンタイム、さらにはなりすまし詐欺などの被害が発生する可能性があります。また、組織にとっては、収益の損失、顧客からの信用の失墜、修復コストの急増といったリスクをもたらす存在です。脅威アクターがランサムウェアを仕込み、感染したマシンを操作不能にして、身代金の支払いを要求するケースもあります。不正なサイトが信憑性のある検索結果に自然に紛れ込むため、巧妙な攻撃によって長期的な被害が発生する可能性があります。

SEOポイズニングを検出する方法

SEOポイズニングを特定するには、以下のような警戒と徹底したセキュリティ監視が重要です。

  • Webアドレスの注意深い確認:スペルミスのあるドメインや不自然なサブドメインなどは、それが偽サイトであることを示唆している可能性があります。
  • 異常なポップアップへの警戒:Webサイトで煩わしい広告が表示されたり、ファイルのダウンロードを繰り返し求められたりする場合は、冷静にソースを確認してください。
  • 検索結果の検証:疑わしい主張をしているサイト(信じられないほど安いソフトウェアや信憑性を確認できないベンダー)には、特に注意を払いましょう。
  • トラフィック パターンの追跡:受信トラフィックの突然の変化は、悪意のあるSEO操作の重要な警告サインです。

SEOポイズニングを防止する方法

健全なサイバーセキュリティ対策を採用し、以下のような保護対策を日常のオペレーションに組み込むことが、SEOポイズニングの被害防止の基礎となります。

  1. 信頼性の高いサイトの利用:可能な限りURLを直接入力するか、既知のブックマークから公式ページにアクセスします。
  2. 信頼性の高いエンドポイント保護の活用:強力なウイルス対策やマルウェア対策ソリューションを活用することで、悪意のあるダウンロード ファイルを自動的に検出できます。
  3. 従業員に対する定期的なトレーニング:フィッシング サイトや疑わしいダウンロード ファイルの見分け方、URLを検証する重要性に関する従業員教育を実施することで、感染リスクを大幅に軽減できます。
  4. ソフトウェアを最新の状態に維持:タイムリーなパッチ適用と更新により、悪意のあるコンテンツの配信やホストに悪用される脆弱性を排除できます。
  5. ゼロトラスト ポリシーの導入:セキュリティ態勢を継続的に評価するフレームワークを採用し、検証および許可されたユーザーのみが重要なリソースにアクセスできるように制限します。

SEOポイズニングによる被害を防ぐZscaler Managed Threat Hunting

Zscaler Managed Threat Huntingは、SEOポイズニングに対する重要な防御線として機能し、エキスパートが主導するAI活用型のセキュリティにより、侵害された検索結果の背後に潜む巧妙な操作や悪意のあるペイロードを検出します。Zscalerは、世界最大のセキュリティ クラウドで高度な脅威を継続的に監視することで、組織が被害を受ける前に高度な攻撃を検知し、阻止できるよう支援します。Zscalerのアプローチは、不正なサイト、資格情報の窃取、マルウェアから従業員をプロアクティブに保護し、以下のような重要なメリットを提供します。

  • SEOポイズニング キャンペーンの追跡と無効化:グローバルな脅威インテリジェンスとカスタムの機械学習モデルを活用します。
  • アラート疲れの軽減:1日あたり数十億件ものトランザクションから、充実したコンテキストを含むセキュリティ部門向けの実用的なインサイトを抽出します。
  • 脅威の検出とブロック:攻撃チェーンの早い段階で実行し、悪意のあるダウンロード ファイルやフィッシング攻撃がエンドポイントに到達する前にブロックします。
  • 専門の脅威ハンターへのアクセス:パーソナライズされたレポート、戦略的なブリーフィング、継続的なサポートを提供します。

デモを依頼して、ZscalerによってSEOポイズニングに先回りで対応する方法をご確認ください。

よくある質問

サイバー犯罪者は人気のキーワードや検索語句を悪用し、検索エンジンが有害なコンテンツを上位に表示するように操作します。ソフトウェア プロバイダーや従業員ポータルなどの正当なサイトを模倣した偽の不正なページを作成して、そこにユーザーを誘導します。

スペルミスのあるドメイン、不自然なサブドメイン、トラフィックの異常な増加、過剰なポップアップ広告、不明なソースからのファイルのダウンロードを促すプロンプトなどは、疑わしいサイトや偽のサイトの判別に役立つ危険信号となります。

検索エンジンのユーザー誰もが標的になり得ますが、IT管理者、リモート ワーカー、給与管理や福利厚生のポータルにアクセスする従業員などの特定の層は、その性質上、リスクが高くなる傾向にあります。

SEOポイズニング攻撃(別名:検索エンジン ポイズニング)は、2000年代半ばから後半にかけて現れ始め、重大な脅威となりました。サイバー犯罪者は検索エンジンの利用が拡大する状況を悪用し、検索順位を操作してマルウェアやフィッシング キャンペーンの拡散に利用しました。

キーワード スタッフィングは、検索エンジンのアルゴリズムを悪用して悪意のあるページを検索結果の上位に表示させることで、SEOポイズニング攻撃の中心的な役割を果たします。この手口の流れは以下のとおりです。

  • 検索結果の操作:攻撃者は人気やトレンドのキーワードをWebサイトのメタデータ、コンテンツ、タグに詰め込み、ページの検索順位を上げます。
  • ターゲットの誘導:注目度の高いイベントや一刻を争うイベント(ニュース速報、有名人のゴシップ、人気製品の発売など)に関連するキーワードを狙うことで、正当なコンテンツを検索するユーザーを誘い込みます。
  • 悪意の隠蔽:詰め込まれたキーワードは正当なWebサイトやトピックを模倣するために使用され、悪意のあるリンクをユーザーにとって信頼性の高いものに見せかけます。

検索エンジン ハイジャックとSEOポイズニングは関連するサイバー脅威であり、どちらも検索エンジンの結果を操作し、ユーザーを悪意のあるWebサイトや偽のWebサイトにリダイレクトすることを目的としています。検索エンジン ハイジャックでは、攻撃者が検索エンジンやブラウザーの設定を侵害し、ユーザーを意図した検索結果から悪意のあるWebサイトや広告にリダイレクトさせます。どちらも、ユーザーを有害なサイトに誘導し、個人情報の収集、マルウェアの配布、詐欺を行うことを目的としています。検索エンジン ハイジャックの後にSEOポイズニングが行われたサイトに誘導されるケースもあり、両者の手口を組み合わせることで影響が拡大します。

SEOポイズニング攻撃は、検索エンジンの結果に対するユーザーの信頼を悪用し、悪意のあるコンテンツを拡散する手法です。SEOポイズニング攻撃は、組織に複数のリスクをもたらします。潜在的なリスクは以下のとおりです。

  • マルウェア感染
  • データ侵害
  • 企業イメージの低下
  • 金銭的損失
  • Webトラフィックの減少
  • IT部門の負荷の増加