Zscalerのブログ
Zscalerの最新ブログ情報を受信
Zscaler Digital Experienceで障害発生時も生産性を維持:紅海海底ケーブル切断から学ぶ教訓
世界規模のネットワーク インシデントが発生した際、最も重要なのは状況を正確に把握することです。ZDXを活用すれば、ネットワーク運用部門はノイズを取り除き、問題を正確に特定し、ユーザーの生産性を維持できます。
2025年9月6日、紅海で4本の主要な海底ケーブル(SMW-4、IMEWE、FALCON GCX、EIG)が切断されるという事象が発生し、その影響が世界中に波及しました。トラフィック パターンが変化し、遅延が大幅に増え、正常だった通信経路でもパケット ロスが目立つようになりました。SaaSアプリケーションが極端に遅くなったり、ビデオ通話が途切れたり、ファイル転送に通常の倍以上の時間がかかるという単純な問題がエクスペリエンスに直接的な影響を与え、ユーザーの不満を引き起こしていました。
クラウド プロバイダーはトラフィックを別の経路に迂回させましたが、その影響で輻輳が発生し、パフォーマンスの問題が何時間も続くという状況に発展しました。ネットワーク運用部門にとってこれはまさに、盲点を突かれた典型例でした。社内ダッシュボードは「緑(正常)」を示していたにもかかわらず、サポート チケットは急増し、業務に支障をきたした従業員からヘルプ デスクへの問い合わせが相次ぐ事態となったのです。
世界的な影響
今回の問題は単なる局地的な障害にとどまらず、世界の注目を集めました。AP通信は、商業船舶がジェッダ付近でケーブルを損傷し、この地域の通信ネットワークの大部分を寸断した可能性を報じています。TechRadarは、Microsoft Azureサービスがトラフィックを迂回させたことを確認し、Windows Centralでは、世界のインターネット トラフィックの約17%が影響を受けたことが明らかにされました。さらに、Tom’s Hardwareは、海底ケーブル損傷事故によってネットワーク パスが長くなり、遅延が増大し、世界中でクラウド パフォーマンスが低下した状況を説明しました。
これらのニュース記事により世界的な視点は提供されましたが、多くの組織のIT部門では、リアルタイムのデータを十分に取得できていませんでした。何が起きているのかを確認し、経営陣や従業員に明確に伝える手段が求められていました。
見えなかった問題を可視化
このような状況における画期的なソリューションが、Zscaler Digital Experience (ZDX)です。ZDXは、海底ケーブルが切断されてから数分以内に、影響を受けたルートを通過するトラフィックのスコアが急激に低下し、エクスペリエンスに重大な問題が発生していることを示しました。
ZDX Network IntelligenceのAIを活用した異常検出機能により、SMW-4とIMEWEにおける遅延の急増が指摘され、中断の外部要因が迅速かつ正確に特定されました。
ZDX Network Intelligenceはパスの視覚化機能を活用して、ユーザーとアプリケーション間の各ホップを追跡し、遅延が発生している場所が企業ネットワーク外の紅海地域のバックボーン回線全体であることを正確に特定しました。

ネットワーク運用部門は、こうしたインサイトを基に、内部のトラブルシューティングや不必要な構成変更に時間を浪費することを回避できました。自信を持って経営陣に報告し、問題が外部にあることを伝え、トラフィックが徐々に迂回され、回復していく様子を監視しました。
サポート部門を強力に後押し
ZDXから提供された可視性は、ネットワーク運用部門だけでなく、サポート部門にも活用されました。世界的なネットワーク インシデントの発生時には情報を得られないことが多いレベル1のサポート担当者も、ネットワーク運用部門と同じようにZDXスコアの低下や地域的なヒートマップを確認できるようになりました。

サポート部門はチケットをエスカレーションするのではなく、これが外部要因による既知のインシデントであること、そしてIT部門がすでに状況を注視していることをユーザーに説明し、不安を和らげました。レベル2のサポート担当者は対応が最も必要な部分に注力し、エスカレーションを減らしながら、組織全体の足並みをそろえる役割を果たしました。
ZDXの優れた機能
ZDXは、合成モニタリング、エンドポイント テレメトリー、ホップごとのパス分析を統合し、AIによる一元的な視点を提供します。ZDXスコアは過去のベースラインと比較してエクスペリエンスを測定し、パフォーマンスの低下を迅速に示す早期警告システムとして機能します。合成テストは、DNS、HTTP、TCPのパフォーマンスを継続的に測定し、遅延、パケット ロス、可用性の問題が重大なインシデントに発展する前に、それらを検出します。さらにエンドポイント テレメトリーによって、CPUの過負荷やWi-Fi電波の弱さなどのデバイス側の問題が排除されるため、担当者が誤った根本原因を追求するリスクが解消されます。
AIによる相関モデルはこのすべてのデータを分析し、デバイス上、ISP、バックボーン セグメント全体、アプリケーション環境のどこで問題が発生しているのかを特定します。そのため、IT部門は対応に注力すべき箇所を正確に把握できます。
原因の特定を可能にするツール
紅海で海底ケーブルが切断されたときや、重要なSaaSアプリの動作が極端に遅くなったときの自社の対応を思い出してみてください。問題の原因を正確に突き止め、自信を持って対応できていましたか?それとも、誤った原因を追い続け貴重な時間を失っていませんでしたか?
多くのIT部門やネットワーク部門にとって、問題の最初の兆候はチケットの急増でした。何時間もの間、内部システムのチェック、変更ログの確認、部門間での問題のエスカレーションが行われた後に、ようやくインターネット バックボーンの問題が原因であると確認されたのです。経営陣に説明が行われたときには、生産性にすでに大きな影響が及んでいました。
別のシナリオを想像してみてください。イベントが発生して数分後、ZDXスコアが低下し、影響を受けたルートを特定するアラートがAIによるインサイトとともに表示されます。パスが視覚化され、遅延が発生している場所が明確になります。ネットワーク運用部門は問題が外部にあると即座に判断し、関係者に迅速に状況を通知します。L1サポートも同じ情報を確認し、対応不要であることを従業員に伝えられるため、エスカレーションは最小限に抑えられ、チケット キューも管理可能な状態を維持できます。結果として、だれも混乱せず、冷静に復旧を見守ることができます。
ZDXはこのような違いをもたらします。混乱をクリアにして、推測をデータに基づいたアクションに変えます。
接続障害への備えとなるZDXの新機能
紅海での海底ケーブル切断の例を見ると、公共インターネットがいつでも機能停止する可能性があることを改めて思い知らされます。機能停止が起こると、たとえ自社のインフラが正常であっても、ユーザー エクスペリエンスは損なわれます。こうしたインシデントは予期せず発生するものです。
ZDXは、将来発生する可能性のある障害への万全な備えを提供します。ネットワーク運用部門は、問題を迅速に診断するための貴重なインサイトを得られ、サポート部門はユーザーの生産性を効果的に維持することができます。
今こそ、デジタル エクスペリエンス戦略を強化するときです。ZDXバーチャル イベント ページ(英語)にアクセスして、ZDXが担当部門に必要な可視性と安心をどのように提供するのかをご覧ください。さらに、次回セッションに登録して、将来のトラブルに備える方法についてもご確認ください。
次にケーブルの切断、SaaSの速度低下、バックボーン インシデントなどが発生したときは、ユーザーへの影響を避けなければなりません。危機的な状況でもビジネスをスムーズに運営できる体制を整えることが重要です。
このブログは役に立ちましたか?
免責事項:このブログは、Zscalerが情報提供のみを目的として作成したものであり、「現状のまま」提供されています。記載された内容の正確性、完全性、信頼性については一切保証されません。Zscalerは、ブログ内の情報の誤りや欠如、またはその情報に基づいて行われるいかなる行為に関して一切の責任を負いません。また、ブログ内でリンクされているサードパーティーのWebサイトおよびリソースは、利便性のみを目的として提供されており、その内容や運用についても一切の責任を負いません。すべての内容は予告なく変更される場合があります。このブログにアクセスすることで、これらの条件に同意し、情報の確認および使用は自己責任で行うことを理解したものとみなされます。



